今後の様々な技術の進化において、熱マネジメントは重要なテーマとなります。放熱材(TIM材)は発熱する部材(例:CPU、GPU)をヒートシンクと接続する材料です。熱伝導性の向上の為に発熱部との密着性を向上させる為に柔軟性を持たせ抵抗を減らします。しかし、熱伝導の効率を高めるカーボン等の材料を多く含有すると部材が硬くなる課題があります。一方、グラファイトの様な面方向に高い熱伝導性を有する材料は素材が脆く、粉塵や層間剝離等の課題を有しております。これらの材料においての加工は定量化することができず、最適なプレス条件や多種材料をラミすることで課題解決させる事が求められます。
電気で作動する機器には、絶縁対策が必要になります。絶縁対策に使われる樹脂素材としてはPI(ポリイミド)やPEN、PPSなどがあります。その中でも特にPIは高耐熱、低熱膨張率、耐電圧、耐薬品性等の優れた特性があり、FPC(フレキシブルプリント基板)や耐熱マスキングテープ、熱プレス機の離型材、半導体製造工程やコネクタなど、多くの製品に使われています。
携帯電話の防水は両面テープにより防水を維持されておりますが、携帯電話・スマートフォンの進化によりサイズが同じでもっと画面を大きく見せたい、より小さい面積で固定・防水をしたいと日々求められる要求が厳しくなってきています。通常、防水を考えるとテープ幅1~2mmが必要なところ、オーティスでは独自の金型技術・独自の加工方法により、0.3mm幅でも防水できる材料を共同開発し、他にない狭額縁で固定できる部品を量産しています。
光学部材は特にディスプレイやカメラ等、透明性や光学特性を有するデバイスに多く使われています。その代表的な例としてOCA Optical
Clear
Adhesive はスマートフォンの台頭と共に今やなくてはならない光学透明性の高い基材レス両面テープです。OCAはディスプレイとガラス等をラミネートする部材のため、目視可能な部材であることから、プレス加工及びラミネート加工においても難易度が高く、例えば「ディレイバブル(気泡)」「段差追従性「Tooling
Mark・剥離性」「反り・剥がれ」「クラック」「DENT」等様々な加工プロセスにおける課題を有しております。また、非常に高い
検査精度が求められる部材となります。
情報通信:スマートフォンOCA、偏光板、拡散板、AG/AR
、バリアフィルム
自動車:カーナビ、インパネ、OCA、AG/AR、ディスプレイ、ミリ波レーダー
AV・家電:VR/AR・MR・デジタルカメラレンズ/センサー
電子機器に外部から強力な電磁波が加わると、機器内の回路に不要な誘導電流が流れ、誤作動を引き起こしたり本来の動作を妨害する場合があります。その他放送電波や通信電波に電磁波が混入した場合は、受信が不安定になり、映像や音声に乱れが生じることがあります。それが電磁波ノイズです。ノイズ抑制シートは、この電磁波の影響を抑える為に高い透磁率を持つ軟磁性材料を樹脂材料の中に 規則的に配列させて、かつ粉末間を電気的に隔離した構造を持ちます。また、オーティス独自開発の「メフィット」も回路内の導通を改善し電磁波を抑えノイズを抑制する効果が期待できます。
情報通信:スマートフォン、タブレットの可動部や内部回路の隙間間の導通部品、アンテナ部分のノイズ抑制
自動車:ドライブレコーダー・センサー、振動部の防振・ノイズ対策
AV・家電:オーディオ機器・アミューズメント機器の可動部・内回路の隙間の導通
カメラやイメージセンサ等の光学機器では、レンズや撮像素子(イメージセンサ)の光学性能はもちろん機器内部の遮光が重要です。光が機器内部で散乱すると、鮮明な画像が撮影できません。遮光部品の性能が向上すれば、高精度化につながります。オーティスでは、遮光と同時に様々な機能性を持たせた高機能フィルム・シートや両面粘着テープ、金属箔等薄い素材を加工して高付加価値化しています。スマートフォンのパネル固定テープで幅0.3㎜の細幅加工実績、また切断面のバリを抑えるバリレス加工を確立しており、微細形状への対応が可能です。
クッション性と、導電性を併せ持つメタルフィルムガスケット(メフィット)は、電子機器のノイズ(EMC)対策・静電気対策用部材として、国内外の携帯電話・スマートフォン・デジタルカメラ等さまざまな製品に採用された実績を持ちます。形状・固さ・厚みを自由自在に設定することが可能です。また、最薄で0.2mmまで薄型化が可能、両面テープで貼り付けるだけで十分な導電性能を発揮します。